shigeri2004-09-21

 天王寺氏からメールが来ました。「このまえは言い過ぎました。ごめんなさい。また会えますか」。


 えー。なんとか気持ちを切り替えたところだったのに、いまさら言われてもなぁ。
 でも彼にも弁解の余地を与えてあげるのが筋なのかしら。
 どうしよう。
 
 なんだかめんどくさい展開になってきました。
 睡眠リズムが乱れまくっていることもあって体調はいまひとつだし、なんだか食欲もないし、夕方から雨模様で湿気の多いいやな天気だし。
 気持ちが重いです。

 Big Eden 〜 a small miracle 〜

 心臓発作で倒れた祖父の面倒を見るためにニューヨークから故郷モンタナのビッグエデンに帰って来たヘンリーは、昔から想いを寄せていた親友のディーンと再会しますが、自分の気持ちを伝えられないまま持て余してしまいます。ディーンもまたヘンリーを好きなのに、ストレートである自分の殻を破ることができずに悩みます。一方、ヘンリーの祖父のために療養食の調達をするよろず屋のパイクはヘンリーのことが好きなのですが、シャイで口下手なパイクはそのことを言い出せません。モンタナの大自然と暖かい町の人々に見守られながら、純で不器用な中年男三人の関係は果たしてどういう結末を迎えるのでしょうか・・・。


 大好きな映画で何度も繰り返し見ています。台詞の半分も聞き取れませんけど!(英語字幕も無いのです。日本でもDVD発売してくれないかなあ。)
 何よりもいいなぁと思うのは、三人の恋の行方を見守る町の人々の視線がみな思いやりに溢れていることです。みんなヘンリーとディーンとパイクの気持ちに気づいていて、特にパイクのことを応援して彼の恋を実らせようとする。まるで、性的指向なんてこの町の人々には関係ないみたいです。町の人々に普通に溶け込んでいるレズビアンカップルも登場します。だからサブタイトルの「小さな奇跡」というのは、恋の成就ではなくてビッグエデンの町のありかたそのものを指しているんじゃないかという気がします。何しろ町の名前が「エデン=楽園」なんですもんね。
 そんな風に「いい人」ばかりが登場するのである意味とても嘘くさい映画でもありますが、一つの作品としては破綻してないので、見ている間は白けることはありません(私は)。

 一番好きなシーンは、ヘンリーの祖父のためにレシピを研究して一生懸命食事を作るパイクを見て、もしかして彼はヘンリーに恋しているんじゃないかと勘付いた店の常連のジムが、パイクにそのことを尋ねようとするところ。ジムは決して単なる好奇心とか、ましてやホモフォビックな気持ちからパイクを問いただしたかったのではなくて、様子の変なパイクのことが気がかりで何か助けになればと思ってそうしてるんですよね。オスでノンケでオヤジな人がこんなに繊細な思いやりを見せる映画を久しぶりに見ました。

 この映画の見所の一つはパイクの作る料理です。特典映像でちゃんとレシピも紹介されてるんですよ。これはグルメ映画かと言いたくなるほど美味そうで、見てるとむちゃくちゃ腹が減ります。特に不眠で夜更かししてる時はね(^_^;


 あと、見終わっていつも思うのは、こういう「恋」って私には経験がないなあということです。日常生活の中で誰かを好きになって、その思いが通じるという経験。片思いなら何度かありますが、特に大人になってからの私の男関係は、ゲイ雑誌の通信欄とか伝言ダイヤルとかネットの出会い系掲示板といった「システム」にのっとったものばかりですから。もちろん、日常の人間関係から生まれる恋ははなから放棄しているということもあります。だからちょっとだけ、この映画の「恋」が羨ましかったりもします。