2003年ビッチの旅(パート1)

 3月28日(金)

 旅に出ることを決めて、襲撃先の友人にメールを送って眠りに就いたのが午前3時か4時頃なのに朝早くから目が覚めた。で、午後3時台の電車に乗るからまだまだ時間があるつもりだったけど、余裕こいて洗濯したり(天気が良かったんだもん)買い物に出かけたりしてたらあっと言う間に午後になってしまって、慌てて荷造りしたけど予定の電車には乗り遅れて次の電車まで駅で待つハメに。でも気まぐれ旅だもの、それもまたよし。


 昨夜は頭の中で色んなことがグルグル回ってた。理屈では納得してても感情がついていけないことってあるよね。悲しみ、怒り、自己の正当化、かと思えば自分がすごくダメな人間に思えたり、「こんなのは大したことじゃない」と考えたりetc.etc.
 夜の間はわかんなかったけど、電車に揺られながらそのことを思い起こしてたらすごく分かってきた。自分の「心」をダメージから守るために色んな防御機能が働いてたんだな、っていうのが今回ほど自分でしっかり認識できた経験は初めてだなー。だからこの段階で・・・電車に乗っている間にすっかり平静な自分に戻ってて、今回のセンチメンタル・ジャーニーの目的の半分は果たせたというわけ。
 あとの半分は、このココロの状態を心安い誰かに話すことと、抱きしめてもらうこと。


 駅前のホテルにチェックインしてからAちゃんとの待ち合わせ場所に行って、Aちゃんの友達の看護士さん(僕は初対面)と一緒にお寿司屋さんに入る。カウンターじゃなくてお座敷だったから、3人で放送禁止/映倫カットな話を爆裂。
 1時間ほどしてからAちゃんがよく行くバーに移動。こちらも他にお客さんがいなくって、マスターと4人でふたたびX指定トーク炸裂。わだかまったものを全部吐き出して超スッキリ。心の腸内洗浄って感じ! マスターもまずまず好みだし、何しろノンケのくせに(?)僕らの濃いい話にしっかり付き合ってくれる懐の深さが嬉しいよね。また来たいな。

 バーを出たのが0時前くらい。喋り通しだったので長居した割には酒は3杯しか飲まなかった。お店にしてみりゃ嫌な客? おつまみとアイスクリーム(ハーゲンダッツのグリーンティ)が美味しかった。店を出たところで2人と別れて、ぷらぷら歩いてホテルに戻ってシャワー浴びてバタンキュウ。あー楽しかった!
 んで明日はいよいよエロエロ・ランデヴーだもんね。ふふふ。


 3月29日(土)

 旅の朝はやっぱり早く目が覚めちゃうんだな。朝風呂に入ってからホテルの1Fのレストランで朝食バイキング。今はこのスタイルが流行りみたいだけど、どのみち欲張ってもそんなに喰えないから1000円っていう値段設定は僕には高いなあ。 
 部屋に戻って1時間ほど二度寝して、再度シャワーを浴びてから出発。このビジネスホテルはチェックアウトの時間が遅いのでこんなことも余裕。ラブホよりゆっくりできる!?


 今日約束していたKさんとは、お仕事の都合で夜遅くにならないと会えないので、昼間はのんびり観光したり買い物したりカフェで時間を潰したりして過ごす。買い物は、テニスシューズと本とCD。CDはずっと前から買おうと思ってたM2Mをいまさらながら。本は、「同性愛入門」(伏見憲明・編)、「セクシュアルマイノリティ」(セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク・編&著)、「不純異性交遊マニュアル」(速水由紀子宮台真司)。図らずも、後にこれらの本がこの旅の新たな展開を導くことになる。


 夜になって、夕食を済ませてからKさんとの待ち合わせ場所=Kさんの紹介のビジネスホテルにチェックイン。ゆっくり風呂に入って「クレヨンしんちゃん」を見ながらウトウトしたりしてたらKさんから電話。一緒に歩いて串カツ屋さんに行って、ビール飲みながら10本コース・・・ちょっと食いすぎたかな。お腹がパンパンだぁ!
 2人でホテルに戻ったのはもう11時も過ぎてたかな? その後のことは、お相手のあることなのでプライバシーに考慮して割愛するけど、むふふな夜ってことで。求めているものを与えられることの幸せ。


 3月30日(日)

 寝不足のつけが回って、今日は流石に朝寝。ゆっくりとホテルを出て、友達との待ち合わせ場所へ。昼ご飯を食べて、コーヒー飲みながら話をして、友達のワンコの写真を撮影したらもう電車の時間。名残惜しいけどそろそろ疲れも出てきたから帰んなきゃね。


 電車の中では買った本のうち「不純異性交遊マニュアル」を読む。『本物の恋だけが手に入るわけではない。いつも百パーセント本気になれる相手とめぐり会えるわけでもない』(まえがきより)という現実をどう生き延びるかってのがテーマ(ほんとかな)の対談本。扱われてるのは男女の恋愛&セックス&パートナーシップ(のグチャグチャなこと)なんだけどね、僕の今(だけじゃなく、今まで)置かれている状況を考察するのに非常に役に立つ本だ。
 僕は何が欲しいのか。どうすればそれが手に入るのか。僕は本当にそれが欲しいのか。僕にそれを欲しがらせているのは何なのか。その「欲しいもの」を手に入れることは「幸せになる」ことと等価なのか。

 この本が示唆することはかなり役に立ちそう。でも頭で考えるだけじゃ分からないことが沢山ある。だからまだしばらくは「ビッチの旅」は続くと思う。とりあえずパート1は終わり。