稲刈りのはずが

 「今日は従姉妹の家の稲刈りを予定していたので僕もそのつもりでスケジュールを空けてたんだけど、昨晩雨が降って稲が濡れてしまったので、刈らないことになった。なんだよ〜(^_^; でも病みあがりだしちょうど良かったかも?」

 ・・・・と日記に書く予定だったけど、それよりもっと深刻な事態になってしまった。従姉妹のダンナ(であり僕の母の従兄弟)が昨日から体調が悪くて寝てたんだけど、今日も良くならないから救急に行ったんだって。そしたら肺炎&肺に水が溜まってて緊急入院。肺炎そのものはすぐ良くなったみたいだけども、これって去年の親父の入院の時と同じパターンじゃん。
 誰も口にしないけど、もしやという思いは抱えてるはず。

 何にせよ明日の朝見舞いに行く予定。
 そんで、従姉妹に聞いたら、担当医はH先生なんだって。それって、もしや僕の初恋相手のお兄さんじゃないかと思うんだ。初恋のH(苗字は兄弟だから同じ)のお兄さんが地元の医大を出て医者してるのは確かだし、フルネームを聞いたらやっぱりそんな名前だった。はっきりとは覚えてないけどね。

 そのお兄さんとは、Hの家に遊びに行ったときに会って話をしたことがある。その後も一度、まだお兄さんが医大生だったときにも。もしも見舞いに行ったときに会ったら、僕のことを覚えているだろうか。僕の方から「お久しぶりです」って言うべきなんだろうか。そしたら当然「H(弟)はどうしてますか」って話になるよね。でも、なんか恐いんだな、Hの消息を知るのが。

 好きだった人についての記憶が、必ずしも美しい思い出ってわけじゃないでしょ? 痛みとか、苦しみとか、恥ずかしさとか、まだそのまんま覚えてるもん。それが再び鮮明によみがえるのは、気持ちいいことじゃない。つーか、不愉快に近い。
 18年経ってもこれかよ。って感じ。