まるにゃんのこと

 今回の引越しのキーワードの一つになった「マル」ことマルティナは、もうすぐ9歳になるオバチャン(おばあちゃん?)猫です。

 もう9年も一緒にいるのかぁとあらためて考えてみるとびっくり。9年前=1995年と言えば、阪神淡路の震災や、オウムの地下鉄サリン事件があった年。僕はまだピチピチの30歳でした。ちょうどその春に僕は岡山市の中心部にある新居*1に引っ越してきて、どうやら同じアパートの皆さんが犬やら猫やら飼い放題になさっていることを知り、折りしも知り合いの飼い猫が妊娠中であることがわかると、その仔猫を生まれる前から予約して飼うことにしたのです。
 待ちに待った仔猫がやってきたのは6月のとある朝。待ち合わせの喫茶店*2に、親猫の飼い主のRさんが小さなケーキの箱を待って現れました。箱の中に入っていたのは小さくて真っ白でフワフワの仔猫。でも、今になってみると、その仔猫がどれだけ小さかったかとかどんなに儚げだったかとかって記憶は曖昧で不確かで、単なるイメージでしかありません。それに、仔猫の時期ってあっという間に終わってしまうでしょ? 僕は今でもそうなんだけど、写真を撮るという習慣がないものだから、その貴重なチョ〜〜〜可愛い仔猫時代のマルを写真に収めなかったことが悔やまれてなりません。真っ白で、尻尾が長くてまっすぐで、夏の空みたいに深いブルーの瞳の仔猫。
 今のマルはすっかり大きくなってしまって、外を出歩いている上にお風呂に入れさせてくれないので、真っ白なはずの毛並みもところどころ灰色だったり黄ばんでたり。目の色も成長するにつれて薄くなってしまって、今は銀色がかったうすい水色になっちゃった。名前も、偉大なレズビアンであるマルティナ・ナブラティロヴァ様にちなんで付けたのに、生後一年も経たないうちに立派なヘテロぶりを発揮して(当たり前か)父親不明の4匹の仔猫を産みました。僕にしてみればマルの妊娠・出産は予定外の出来事*3でしたが、目の前で見る出産はやっぱり感動的だったし、生まれた子供たちはやっぱり超カワイかったんで、いい経験をさせてもらったのも確かです。その後、幸いにも仔猫達はみんなもらわれて行って、それからマルは避妊手術を受けたのでした。ただあの出産とか子育てとかの様子を思い出すと、あんなに上手に仔猫を育てる能力があるマルに手術を受けさせたことが、今でもなんとなく後ろめたい気がしないでもありません。
 こんな風に書いているとまるで僕がマルを「猫かわいがり」してるかのように思えるかも知れませんけど、でも正直言ってマルの全てが何もかも可愛くて好き好き! というわけにはなかなかいかないわけで。(続きは後日)

*1:築40年を越えようかというボロボロの木造アパートに『新居』という言葉がふさわしいかはともかく

*2:ちなみにこの喫茶店で当時チーママをやっていたのがこの日記中に出てくる大阪のMちゃん。当時は岡山にいたのでした

*3:本当はもっと早く避妊手術を受けさせたかったけど、当時極貧生活だった僕にはその手術費用の捻出がなかなかできないまま、気が付いたらマルが妊娠しちゃってて、仕方なく産ませたといういきさつ