「薔薇族」が廃刊 同性愛専門誌の草分け的存在

 http://www.asahi.com/culture/update/0922/007.html

 正直な感想は、「へぇー、そうなんだ」という感じ。私もこの年代のご他聞に漏れず、最初に手にしたゲイ雑誌(広い意味でのゲイメディア)は「薔薇族」でしたし、グラビアにも小説にもさんざん「お世話」にもなりましたが・・・大人になるにつれ、路線が私の好みと違ってきたことが原因で足が遠のいていました。それに、路線だけでなくて、編集長の伊藤文学氏のマスコミなどでの発言(「同性愛者は日陰者」的な)もまた私が「薔薇族」を遠ざけた一因でもありました。
 でもさんざんお世話になっておいて、「へぇー、そうなんだ」もちょっと冷たいですよねえ(^_^; ここは素直に謝辞を贈りましょう。

 何よりも「薔薇族」の功績は、まずは「草分け」であったことでしょう。それも、アンダーグラウンドミニコミ誌にとどまらず、堂々と大手出版ルートに乗せて全国に販路を広げたことですね。お陰で島根の片田舎に住む高校生の私の手にも入ったわけですし、結果として私は自分が離れ小島に一人ぼっちな人間ではないことを実感できたんです。それに、エロを含めた自分を丸ごと肯定することができたのも、「薔薇族」のお陰が大きいと思います。大げさに言えば私の命の恩人とも言えるわけ。(その恩人に対してやっぱり冷たいですね私・・・)


 ところで、「薔薇族」廃刊についてのぼせさんの意見(「だからゲイ雑誌買おうよ」)については、それだけを理由にゲイ雑誌を買うかと問われれば、私自身はやっぱり買わないなと思います。
 あくまでも自分が求める情報があるからこそ私はゲイ雑誌を買うのであって(ここ数年、私がゲイ雑誌を買う理由はエロではなく、熊田プウ助先生のマンガを見たいからという一点に絞られています。)、単にゲイコミュニティを盛り上げるためだけ一冊1000円以上のお金を払うかと言われると・・・買う気にはなれません。ただ、「今月お金が無いけど買おうかどうしようかなぁ」と悩んだりしたときにはちょっとした「後押し」にはなるかも知れませんけどね。(先日の「コミュニティ論」にちょっと関係あるかな、この辺は。)