ネコ缶

 夕方からマルがやけにニャーニャーうるさいなあと思っていたら、キャットフードが切れてしまっていました。そろそろ無くなるなとは分かっていましたが、ここ数日昼間に行動できなかったのでペットショップにも行けずじまいだったんです。コンビニでもキャットフードも売ってはいますが、さすがにマルさんご指定のサイエンスダイエット(シニア用ヘアボールコントロール)は置いてありません。
 仕方ないので、非常時用に買い置きしてあったネコ缶をあげることにしました。
 「非常時」というのは薬を飲むときのことです。岡山と出雲の時代にはマルは自由に外出していたのでノミをもらってくることがあって、そのノミからサナダ虫がわいてしまうことが時々ありました。そんなときは虫下しの錠剤を獣医さんでもらってきて飲ませるわけですが、マルは薬を飲むのが下手で(っていうか私が飲ませるのが下手で)錠剤のままだと飲めないので、薬を砕いて粉にしたものをネコ缶に混ぜて食べさせるという方法をとっていました。マルにとってネコ缶はすごいご馳走で、薬が混ざっていてもペロリと食べてしまうんです。
 今日ももちろん大喜びでフガフガ鼻を鳴らしながら食べていました。八分がた食べてしまうと、マルはおもむろに顔を洗ってからさっさとベッドに上がって眠り込んでしまいました。さぞや満足したんでしょうね。
 ドライフードだとこんな風に喜んで食べるということがありません。私もマルが美味しそうに食べるのを見るのは嬉しいですから、できることなら毎日でもネコ缶を食べさせてあげたいのですが、やっぱり値段の問題と管理の問題(マルは食が細いと言うか、いわゆる「ネコ食い」をする子なので一度に一缶丸ごと食べることはなくて、どうしても食べ残してしまいます。ネコ缶は生ものですから、特に夏場はその残ったものがいたむのが心配です)があって、どうしても手軽なドライフードをメインにせざるを得ません。

 明日こそはメンタルクリニックに行かないといけないので、そのついでにキャットフードとトイレの砂を買ってくるつもりです。でも、まだ残っているネコ缶をよく見たら賞味期限が切れそうなので、これから数日間はネコ缶をあげてしまおうと思っています。私の欝のお陰でマルは思わぬ美味しい思いをすることになるわけですね。
 その間にマルがネコ缶の味を覚えてしまって、ドライフードに不満を持つようなことにならないよう願います。でもやっぱりネコ缶の方がいいに決ってるよね・・・。