私はゲイ…?

 ふと思ったんですけど、ゲイだと自認している私ではありますが、今のように性欲もなく性行動もしない(オナニーを含めて)ような状態の人間について「ゲイ」というアイデンティティをあてはめることがどこまで妥当なことなのでしょうか。
 もちろん私の過去については男性との性行為があったり男性に対して性的なファンタジーを持っていたりしますし、現にいまでもゲイバーやゲイナイトを通じてゲイコミュニティにアクセスしているわけですから、「そりゃゲイでしょう」って話ではあるんですけどね。
 それでも、私のアイデンティティ全体における「ゲイであること」の相対的な位置づけはどんどん軽くなっているような気がします。

 ところがその一方で、私は「自分がゲイである」ことを前提にして日常生活や将来設計をしてもいるわけで。
 セックスという要素が抜け落ちた分、「ゲイであること」は私の中で明確な焦点を結ぶことがなくなり、薄〜く浅〜く広〜い意味に変わってきたという感覚があります。


 私の性欲がなくなってしまっているのは抗ウツ剤(パキシル)の副作用によるところが大きいと思うので、いずれ病気が良くなって服用をやめれば性欲も戻ってきて、再び「ゲイであること」が明確な行動や思考・指向として意味を持つようになるかも知れません。
 でも、もしかするとこの世の中には最初から「性欲の向かう先」としての明確な指向を持たないゲイやレズビアン(だけでなくバイセクシュアルやヘテロの場合もありかな?)も存在しているんじゃないかなと思ったりもしました。アセクシュアルとまではいかないものの、はっきりとゲイである(あるいはレズビアンである、バイセクシュアルである、ヘテロセクシュアルである)と意識することも行動することもない人たち。

 ま、それだけの話です。