ひと息

 夕飯を食べに駅前まで自転車で出かけた帰り道、寒さと人恋しさでつい堂山まで足を伸ばしてしまいました。いつものお店に行って、寒いからブランデーのお湯割を頼んで、いつものメンバーや新しく知り合った人たちと過ごす何気ない時間。こういうときを「しあわせ」と言うんだろうなと。
 仕事でキリキリしていた頃だって同じように週末になれば飲み屋に繰り出していたのに、でもその時はその場にいられることが「しあわせ」だとは思えませんでした。ほんのひと時嫌なことを忘れるために、とりあえず逃げ込むための空間でしかありませんでした。なぜあのとき、この「しあわせ」を感じられなかったんだろうか。もしもあの頃この「しあわせ」を実感できていたなら、仕事の辛さだってなんとかやり過ごすことができたかも知れないのに…と悔やむ気持ちもあります。でも、いまさら悔やんでもしょうがない。いまこの「しあわせ」を感じられることに感謝して、明日からまた一歩づつ歩いていくしかないんですよね。
 大きく息を吸って、吐いて。
 さあ、明日はまた明日の風に身を任せることにしましょう。