NYC二日目。グリニッジ・ヴィレッジ。

shigeri2003-06-24

 昨晩はすぐ眠れたものの4時間ほどで目が覚めちゃって、それから朝までテレビを見て過ごした。リビングにはクーラーが無くて扇風機だけなのでかなり暑かった。湿気が少ない分まだ日本の夏よりマシか。ちなみに聞いたところによると、今年のアメリ東海岸は春から雨がとても多くて、僕が来る前の週も曇りや雨で冷え込んでたんだって。それが昨日あたりからやっと本格的な夏の天気になって暑くなったのだそうで、もしかして僕は晴れ男だったんかな?
 朝になってから二度寝して、結局昼前まで寝ててTに起こされる。今日はTも休みを取ってくれていて(Hは学校の先生なので今は基本的に夏休み)午後から一緒に街を回ってくれるって。その前にTの焼くパンケーキで腹ごしらえ。しかし奴らよく食うなあ。メープルシロップもしこたまかけてるし。僕は2枚食べただけで満腹。

 食後にシャワー浴びて3人でバスに乗ってヴィレッジへ。バスの料金は一律2ドル。紙幣のドルは受け付けてくれなくて、コインもクォーター(8枚で2ドル)しか使えないし、それかメトロと共通のプリペイドカードが必要。日本のバスなら両替してくれるのに、その点は不便だなあと思う。もっとも米ドル紙幣って紙質が悪いからすぐグシャグシャになっちゃって自販機には向かないんだろうねえ。T&Hの二人は外出前にいつも小銭を数えてポケットに入れてる。ガイドブックでは現金が無くてもクレジットカードとトラベラーズチェックで通じるって書いてあったけども、僕はバスやメトロ、あるいは街中の屋台、個人商店を利用するには現金をある程度持ってないと困ることが多かった。NYの街中にはATMの機械が沢山あるから、最善の策はシティバンクの口座を日本で作っておいてお金を入れておくことだなーと実感した。
 ところで渡米前に買ったガイドブック(2003年1月発行)ではバスもメトロも料金は1ドル50セントって書いてある。この半年くらいで値上がりしたようで。

 バスを降りてからはウィンドウショッピングなどしながら歩き回って、喉が渇いたのでチャイナタウンのgrocery で人工甘味料たっぷりっぽい怪しいライチジュースを買う。つーか、これってジュースじゃなくて缶詰のシロップを薄めたんじゃないの?って味なんスけども、一瞬躊躇したものの暑くて喉渇いてたらグビグビ飲んじゃった。他にもこの店には韓国や日本の食料品・雑貨・食器や調理器具が沢山あった。タ*ガーや象じ*しの炊飯器とかも。物によっては日本で買うより安いんじゃないのーって思える。おやつ用にグリコのいちごポッキー(USAバージョン)とか『サッポロ一番』の日本では見かけないバージョンなどを買ってみる。チャイナタウンに限らず、ニューヨークには個人商店が軒を連ねてる風景が珍しくないなあと思う。岡山でも出雲でも、客は郊外の大型店舗に流れてしまって町中の個人商店っていまひとつ元気がないのにね。もっともこんな大都会だからアメリカの中でも特殊な場所だと思った方がいいのかも。チャイナタウンの商店は日本の商店街の雰囲気と共通するものがある気がする。雑貨屋、八百屋、衣料品、果物屋、花屋、魚屋・・・・。それに歩道には屋台が沢山。ホットドッグや飲み物を売ってる屋台のほかに、観光客相手のものも沢山あった。サダム・フセインのトランプを売ってたのが妙に記憶に残ってる。
 とある街角にさしかかったとき「以前はここから世界貿易センタービルが見えたんだよ」と教えられて、その「見えていた空間」をカメラで撮ってみたけど、後になって見てみてもそれがどの写真なのかよく分からなくなっちゃった。
 それにしても、どこに行っても「賑やか」というより「忙しい」街だなあ。

 あんまりあちこち歩き回ったからもう記憶があやふや。あとこの日で記憶に残っているのはNYU=ニューヨーク大学。広い構内、っていうか普通に道路に沿って並んでいるビルが全部大学、っいう街並みをずずずーっと歩いて通り抜けながら印象に残る建物の写真を撮っていたら、信号待ちしてるときに並んだ男の人が何か話しかけてきた。けど何を言ってるのかよく分かんない。そもそも、ニューヨークの街中で見ず知らずの人が話しかけてくるってこと自体にビックリして半分パニックになってたし、何やら有名なアーティストの作品が構内にあるからそれを撮っていけって言ってるみたいなんだけど・・・・Hが代わって話を聞いてくれて、とにかくその場所へ行ってみることにした。するとそれはコンクリート造り(多分)の巨大なモニュメント。作者はピカソじゃん! あー、そっか。あの男の人もHも「パカァソゥ」って発音してたから分かんなかったんだよ。んでそのモニュメント、あんまり巨大だからてっきりピカソのオリジナル作品じゃなくて拡大したレプリカかと思って聞いてみたら、これでオリジナルなんだって。へえええ。すごーい。
 大学構内に公園みたいな広場があって、そこの大きな公衆トイレでおしっこ。ガイドブックには公衆トイレは危ないみたいなことが書いてあるけども昼間でこれだけ利用者があれば安心。デパートや空港のトイレに比べるとさすがに「公衆便所」って感じで薄汚いその雰囲気にもしかして?と思って尋ねてみると、トロイの言うにはやはりここはハッテンバなんだって。「少なくとも昔はね。」今は利用してないからどうなってるか知らないそうだ。

 みんな腹が減ってきたところで「何が食べたい?」と聞かれ、「何かアメリカなもの!」とリクエストしたらサンドイッチ屋さんに連れて行ってくれた。お店の名前は『ブリンピー』ってチェーン店みたい。サンドイッチって言っても食パンを使ったものじゃなくて、短めのフランスパンみたいな形のパンを半分に切って、間に具を挟んであるもの。もちろんパンの種類(全粒パンだとかなんだとか)や具の種類を指定しないといけないので、注文はハルが代わりにしてくれて、パンはブラウニーで具は全部(標準装備のものを全部ってことだよね)、マスタード付きのものを食べてみた。事前に「デカいよ」って教えられてたから僕はハルと半分こ。トロイは一人で一人前全部を食べるって。出てきたものを見たら確かにデカい。初めてビッグマック食べた時みたいに、パンの間から大量にはみ出してボロボロ落ちる具に四苦八苦。僕は半分食べるのでさえやっとなのに、こんなん全部食べれるの?って思ったらTはなんとか(苦労しながら)食べ切った。彼のお腹が順調に成長を続けているのも頷ける。
 サンドイッチが「アメリカなもの」というイメージは今まで僕の中に無かったけれど、気をつけて見ていると確かにチェーン店を含めサンドイッチ屋さんは街中で沢山見かける。『サブウェイ』とか『メトロ』とか地下鉄にちなんだ名前がついているのは何でかな。聞いてみたけどTもHも分かんないって。

 満腹になったところで次はクリストファー・ストリート、言わずもがなのゲイエリアへ。真昼間だけれども2丁目とかと違って普通に商店やらレストランやらが並んでるしバーだって昼間も営業してるらしいから、普通に生活の匂いのする普通の街だなあ。でもここで買い物をする予定は今日はないので、かの『ストーン・ウォール』前で記念撮影をした他はブラブラと眺めながら通り過ぎる。今週はゲイ・プライド・ウィークということもあって、あちこちにレインボウの旗や幟が見えて、それだけでもなんだか楽しい。
 それからまたブラブラ歩いて行って帰りの地下鉄に乗る。メトロ初体験。バスと同じく定額2ドルの乗車券(もしくはプリペイドで任意の複数回乗車できるカード)をチケットの自販機で買う。この自販機ではお札も使える。けど乗客数の多さに比べて自販機の窓口の数が少ないという印象。で、ニューヨークの地下鉄は怖いっていうイメージがあったけど、駅構内には警察官をよく見かけるし、ゴミもそんなに落ちてないし、電車も新しくて綺麗だし、全然平気。ただ、とにかく路線が沢山あるのと地名に馴染みがないので、一人で乗れるようになるにはかなり時間がかかるんじゃないかな。って言うか今回の滞在中は無理っぽい。僕は日本でだって大阪や東京での電車&地下鉄の乗り継ぎはあまり得意じゃないしなー。

 アパートメントの最寄の駅で降りたところにある巨大な(僕の感覚では)スーパーマーケット『Path Mark』で食料品そのほかのお買い物。このスーパーとその並びは新しい綺麗な建物に大型店舗が入ってて、ハーレムの再開発を象徴してると思う。一時ヤバい町だったハーレムだけど、90年代から再開発が進んで今はかなり治安も良くなったって。Tの話だとイースト・ハーレムはまだまだだっていうことだけど。ともかく、『Path Mark』は綺麗だし広いし商品も豊富。食料品は特に安いよねー。冷凍食品も大袋で種類が豊富、働く現代人の味方だわー。後日T&Hが料理をするのを何度も見学したけど、こうした冷凍食品は大活躍してた。特に肉類や魚介類。包丁で切る必要が無いから、料理っても本当に加熱することが主体で楽そう。その分、味付けに使う香辛料やハーブはすごい種類がキッチンに並んでる。
 このスーパーで面白かったのは、普通のレジの他にセルフサービスのレジがあるってことかなあ。商品のバーコードをレジに通して、合計金額をクレジットカードで支払うっていう方式。どうやってお客さんが「ズル」するのを防いでるのかというと、ひとつは監視カメラで見てるのと、どうやらレジ前の商品を置く台とレジ後の商品を置く台のそれぞれに重量を感知するセンサーがあるらしく、ちゃんと全部の商品をレジに通さないとエラーが出るみたい。他の店や他の地域でも普及してるかどうかは不明。
 で、今日の晩飯は茄子のミートソースかけ焼きみたいなもの。かけるミートソースは昨晩のパスタにかけたのと同じね。

 食後はまたエアロベッドを出して寝る準備をしてると、TとTが何やら言い争いを始めた。どうやらネタは大したことじゃなさそうなんだけど・・・・前々から本人たちから「fight はしないよ、時々 argue はするけど」とは聞いてたけど、これは僕の感覚では完全に "fight"。すげー嫌な緊張感がアパートメントに充満して「いたたまれない」とはこのこと。そのうちTは部屋を出て行ってしまった。「シゲには関係無い喧嘩だし、よくあることだから気にするな。煙草を何本か喫って落ち着いたら帰ってくるから」ってHは言うけど、そう言われてもなあ。
 でもどうすることもできないので、リビングでテレビを見てたら30分もしないうちにTは帰って来た。「大丈夫?」って聞くと「大丈夫、心配しないで」と言って寝室で二人で話の続きを始めた。声のテンションは高くないから本当にもう大丈夫かなって気がするからちょっと安心。で、寝る前に日記を書いてしまおうと思ったけれど、突然の眠気に襲われてノートとペンを持ってソファに座ったままいつの間にか寝ちゃってた。真夜中に二人に起こされて、おやすみなさいを言ってベッドで寝なおす。

 本日の一枚: クリストファー・ストリートにて。