NYC三目。洗濯、摩天楼〜。

shigeri2003-06-25

 本日の一枚: ユニオン・スクウェアの芝生。


 朝8時の起床。今日も暑い! 昨夜の喧嘩はどこへやら、いつもの陽気さを取り戻してるT(ホッ)が仕事に出かけるのを見送って、シリアルで朝飯にして、Hと二人でお洗濯に出かけた。NYでは(アメリカでは?)アパートメントの部屋の中に洗濯機が無いところは多いみたいだけども(NYが舞台のドラマ『ウィル&グレース』ではアパートメントの1階だか地下だかに共同のランドリー・ルームがある)、このアパートメントは建物内にも洗濯する場所はなくて、住民は街中のコインランドリー("Laundry Mart"って言うのね)に行くみたい。僕の洗濯物はTシャツとパンツと靴下が4日分ほど。一方のお二人さんのはものすごい量。シャツ、Tシャツ、パンツ、ジーンズ、ソックス、タオル、バスタオル、バスマット、シーツ・・・・。「これ何日分?」「2週間分かな。冬とかは1ヶ月溜めることもあるよ」って、あんた(^_^; 確かに、広いとは決して言えない部屋の中に彼らは山のような量の服を持っている。特に下着のパンツや靴下は、かなりヨレヨレになっても捨てずに着てるみたい。日本より湿度か低いから洗濯の頻度は少なくて済むとは言え、1ヶ月溜めた洗濯物の量ってどのくらいになるのか想像もつかないや。


 その山のような洗濯物の入った巨大な袋を(ほら、よく映画とかでさ、復員してくるアメリカの兵隊さんが緑色のキャンバス地のデカい袋を背負ってるじゃない。あれよあれ)各自が背負って、汗だくで歩いて近所のランドリー・マートへ。歩く道すがらもランドリー・マートの店内も、ちょっとだけ荒れてるっていうか「場末」な感じで相変わらずちょっと恐い。夜だったら絶対に来れない。
 そんでまたランドリー・マートの洗濯機も乾燥機もデカい! もちろん大・中・小と大きさは色々あるけどね。空いてたからその大の洗濯機を4台一度に回して、それが済んだら今度は乾燥機を4台。両方ともクォーター(25セント玉)を何枚か入れないといけなくて、店内には1ドル札をクォーターに両替する機械が置いてある。他の場所では両替機って見かけたことない気がするなぁ。
 洗濯はともかく乾燥に結構な時間がかかるので、済むのを待ってる間に隣のコンビニ(つーか街の商店だね)でコーラを買う。レジはスパニッシュなオヤジさん。自分で金払って買い物するのはほとんど初めてだから少しドキドキしたけども、オヤジさんが言った値段("one twenty five" とかなんとか)は聞き取れたからホッとする。ジュースは茶色の紙袋に入れてくれてストローもつけてくれる。これはこの後でジュース類を買ったどこの商店でも一緒で、Hに「どこでもそうなの?」って聞いたら、これは昔お酒を買ったときに紙袋に入れてくれた(歩きながら飲んでも、中身が酒だと人にわからないように)の名残りなんだよって教えてくれた。
 それから乾燥の済んだ洗濯物を二人でお畳み。なんか気持ちいいな。ちょっとした労働を済ませた感じ。


 11時ごろ帰宅して、僕はまだお腹が減ってないのでHだけお昼ご飯を食べてる間に昼寝。これが時差ボケってやつなのかそれとも暑さのせいかすぐに疲れたり眠くなったりすることは、徐々に軽くはなっていくものの帰国の直前までずっと続いた。
 昼寝の途中でGちゃんから電話があった。ひさびさの日本語! 今は秋からの新学期に向けて英語のコースを受講してて、それが朝から夕方までビッチリあるんだって。大変そぉ。で、明後日の金曜日はその学校が2時に終わるから会えるかなっていう話だったから、Hに金曜日のスケジュールを聞いたら「だめだよ、キャンプに行くんじゃん」。あ〜、勘違いしてた。キャンプは土日で一泊二日だと思ってたのに金曜日からの二泊三日だったのね。というわけでGちゃんとのミーティングは来週の金曜日まで延期。


 昼寝の後、1時頃から外出。地下鉄に乗って有名百貨店のメイシーズへ。この上の階にTが利用している銀行の出張所みたいなのがあって、Hはそこに用事があるらしかった。メイシーズで買い物はしなかったけどデカくて古い建物そのものが名物みたい。街の1ブロックがまるごとメイシーズ。建物が古いせいか天井がさほど高くなくて、中はなんとなく日本の老舗デパートのような。で、エスカレーターの両側部分(手すりの台座っていうの?)が木造なんだよー。いったい何年前の建築なのかしらん。トイレに行ったらあまり綺麗じゃなかったなー。不潔というわけではないんだけどね。これも古さ故か。
 それから歩いてタイムズ・スクウェアに行く。ここも映画とかでよく見るなあ。高いビルが立ち並ぶ谷間にデカい広告や電光掲示板がいっぱい。日本企業の看板もこの不況下とは言えいくつもある。街は観光客っぽい人たちでごった返してる。その割にはアジア人の団体旅行客はあまり見かけないのはなんでだろう。まだ夏休みシーズンじゃないからかな。その観光客相手の露天商もずらーっと並んでいろんなものを売ってて、中でも印象深かったのは、中国系な感じの人のやってる「名前アート」の露天。お客さんの名前を色鮮やかな装飾文字(なん言っていいかわかんないや。アルファベットには違いないんだけど、文字が木の葉とか花びらの形のパーツでできてるっていうか)で横40センチ×縦20センチくらいの板に書いてくれる。しょーもなー、って気もするけど何軒もあるから結構人気があるのかも。
 でね、交差点で道を渡っているときに、中央分離帯みたいなところで "Naked Cowboy" ってのがいたの。Naked って言っても素っ裸なわけじゃなくて、白いブリーフとカウボーイハットとブーツといういでたちのワイルド系(?)なブロンド長髪の若いお兄ちゃんがギターひきながら歌を唄ってて、チップをあげるとリクエストした曲を歌ってくれるんだって。リクエストはともかく一緒に写真撮ってもらいたいなぁって思ったけど、それにはチップあげないといけないじゃん? でも今日はチップに使うような小額紙幣を持ってなかったのでやめた、のを後になってかなり悔やんだ。Hにチップ代借りてでも写真撮れば良かったなあ、いい思い出になったのに。


 タイムズ・スクウェアから歩いたり電車に乗ったりして、チェルシー⇒グラマシーへと流れていく。その間に街角の屋台でホットドッグを食べた。これは昨日のサンドイッチと違って大きさは日本のそれと大差ない。で、中に挟む具とかマスタードを入れるとか入れないとかやっぱり細かく注文するのね。僕はよくわかんないから「全部ありで」というやつにしてもらって、ついに念願の初ホットドッグ。特にうまくもないけど不味くもなーい。とにかく安いのがいいよね。
 チェルシーではいよいよ念願のアダルトショップへ。『The Blue Store』っていう、Hの話だとまだ新しいお店らしい。ちなみに住所は 206 8th Avenue (8番街21丁目になるのかな? 電話番号は (212)924-8315 )。お店は大きくて、ビデオやDVDがいーっぱい。ヘテロもののAVとかセックストイもいろいろあったよ。レジのおじさんはインド系な人で、ヘヴィな英語で聞き取りにくかったけど、会計の時は "Hello my friend!" って声かけてくれたからやっぱりゲイ? チェルシーは最近は以前のソーホーみたいにアーティストが集まる街ってことで有名だって雑誌か何かで読んだことがあるけれど、それと同時にヴィレッジとならんでゲイコミュニティな街でもあるみたい。
 もしあったら買おうと思ってた colt studio の製品は置いてないらしく(レジのおじさんに聞いたら無いよって言われた)、でも膨大な数のビデオとDVDの中から迷いに迷っていくつか選ぶ。値段は大きく分けて二つ、50ドルと20ドル。高いのは新作なんじゃないかと思う。そんでクレジットカードで支払うときに漢字でサインしたら、「何て書いてあるか分からないから、英語でもサインして」って言われちゃった。
 ここでもう一つの後悔。ヴィレッジやチェルシーのいたるところで店先に飾られていた、身長25㎝ほどのレインボーのテディ・ベア。買おうかと思ったけれど「慌てて色々買っても無駄遣いになるから、後日よく考えてからにしよう」って慎重になったのが間違い。結局その後はこの辺に来る機会が無くて、帰国する時に空港の土産物屋で探してみたけども同型で単色のテディ・ベアはあったけど一体でレインボーになってるのは無かった(泣) どっかで通販で買えないかしらん。


 地下鉄を降りたところはユニオン・スクウェアだった。マジソン・スクウェアは名前こそ「スクウェア」でも一体どこにスクウェア(広場)があるの?って場所だけども、ユニオン・スクウェアはちゃんと公園然とした空間で、芝生があって樹木もいっぱい。今日はちょうど名物のファーマーズ・マーケットの開催日だった。早い話が「直販市」かな。野菜や植木なんかを売ってるテントが並んでて、人は沢山いるけど街中と違って雰囲気が穏やかな気がするのは僕の偏見? リンゴとクランベリーのサイダーを買って、木陰の芝生の上に座り込んで飲みながら休憩。さんざん歩き回ったから疲れたー! 芝生やベンチには昼寝したり楽しそうに話をしている人たち。犬連れの人も多い。芝生の一角には小さなステージが設けられていて、ここで色んなコンサートなんかが催されるらしい。今は平日の昼間だからまだ何もしてなくて、音響係な人たちが数人設営をしてるところ。どこかからバグパイプの音が聞こえてくる。
 一息ついたので、仕事帰りにのTと落ち合うために彼が予約を入れているという病院に向かおうとしたら、ユニオン・スクウェアから道を渡ってすぐのところに香水店があったので立ち寄る。ここもお店の人はインドな顔立ちの若い(?)兄ちゃんと姉ちゃん。友達に頼まれて探してるコロンの名前を言ったら全部あった。値段を聞いたら、少なくとも日本の相場より確実に安かったのでここで買うことにする。兄ちゃんは「日本のお客さんはよく来るし、みんな安いって言ってくれるよ。中には何百ドルも買い物する女の人もいる」(みたいな感じのこと)って話してくれた。で、ここでもクレジットカードで支払ったんだけどさっきのアダルトショップのことが頭にあったので「サインは日本語で?それとも英語?」って聞いたらお店の人は「どっちでもいいです」って。その後も何回かクレジットカードを使ったけど、英語でサインしてって言われたのは結局あのアダルトショップだけだった。


 待ち合わせ場所の病院でTを待っている間に、待合室に置いてある沢山のゲイ・プライド関係のパンフレットをもらって読む。この病院は特にゲイ・コミュニティ向けのところみたい。6時前にTがやってきたんだけど、予約してた医者が今日は休みみたいで、結局そのまま三人で帰宅する。メトロの駅まで歩いていく道すがら、あちこちにある日本レストランで店の前に貼り出してあるメニューや値段を見比べたり、日本の室内装飾屋では和箪笥やタタミのベッド、障子、一枚板のテーブルを見て回ってその値段にビックリし(高いから)、カフェで買ったラテを飲みながらウィンドウショッピング。ふたたびユニオン・スクウェアを通りかかると仕事上がりの時間ということもあって人が増えてて、ステージではフラメンコ(女子二人)を披露してたのでしばし見物する。プロなのか素人なのかわかんないけどなかなか上手い。終わって見物人たち一堂が拍手喝采!っていう場の雰囲気がいいなぁ。それからスクウェア内を通り抜けて反対側にある地下鉄駅に向かってたら、バグパイプの演奏をしてるお兄ちゃん三人組を見かけた。昼間聞こえてたのと同じ人たちだろうね。三人とも着てるのがキルトじゃなくてフツーのカジュアルな服装。普段着でバグパイプ演奏する人って初めてだから意外にインパクトあり。
 地下鉄に乗って125丁目に着いて降りると(地下鉄だから「上がると」か?)街の雰囲気のあまりの違いに「あーハーレムに帰ってきた」って実感。


 日が長いから気づかなかったけど帰宅したらもう8時を回ってた。夕飯はサラダと昨日の残りもの。それから交代でシャワー浴びて、ビール飲みながらTV見て、それから「スキンシップ」して本日はおやすみー。そうそう、飲んだビールってのが日本でもおなじみのコロナなんだけど、日本でよく売ってるボトルって「小」か「中」だったのね。T&Hがいつも買って飲んでるのはもっとデカいボトルで、日本で言う中瓶よりもっとデカいと思う。何から何までほんとデカいこと。話には聞いてたけど、いちいちビジュアルで見せられると笑っちゃう。